令和5年2月一般会議質問
私が区議会議員になってからずっとお伝えしてきた「子ども達の体力・身体機能向上」へ向けた取り組み。
その原動力は、東海大の知念准教授の言葉「子ども達の身体が危ない!」
その一言が私の原点です。
そして、取り組む中で携わった保護者の皆さま、また教育現場の先生方、
そして区の職員の皆さまを含め、子ども達を取り巻く全ての大人たちの既成概念が
たった1ミリでも動いてくれたなら・・・そんな思いでこの4年間、活動してきました。
そして、「幼稚園における体力測定実施」は来期から全ての幼稚園で毎年実施して頂けることが決まりました。
まずは第一歩が叶い、嬉しい限りです。
現場の先生方にはご負担が増えると思いますが、この測定データを積み重ねていく事は、
子ども達を取り巻く大人たちの意識改革を含め、子ども達の身体と“心”の健康に必ず役立ちます。
今後は、保育園における体力測定実施についても取り組みたいと思っています。
私は、知念先生の講義を何回もお聞きしています。でもお聞きするたびに、刺さる言葉が違います。お聞きするたびに、「気づき」があります。
例えば、好きな本や映画を何回も読む・見る。それは、その都度「何か違う感動や気づき」があるからですよね? それと同じです。
ちなみに、先生の講義で最近ささった言葉は・・・
イギリスの児童福祉活動家である「マージョリー・アレン」の言葉で
「心が折れるより、骨折の方がマシだ!」と言う言葉です。
このマージョリー・アレン氏は、イギリス保育学校協会会長、幼児教育世界機構「OMEP」初代会長などを歴任し、イギリスおよび世界に「冒険遊び場」を広めた第一人者として知られています。
この「冒険遊び場」とは、やや冒険的な多少の危険を伴う体験的で、かつ自分たちで遊びの内容を構築していく可能性のある遊び場のことを指します。
また、遊び方が、遊具や施設の形態で既に規定されているような物とは違い、遊び方の可能性が豊かで、子どもの空想や創造性、身体の運動性を刺激するようなもの、また遊び仲間の集団が自然発生的に形作られたりするもの。と記されています。
多少の危険を伴う体験的で、自分たちで遊びの内容を構築していく遊び場・・・なんて
荒川区において、なかなか経験させることは難しいです。
子ども達のために様々な遊び場を構築したアレン氏が
「心が折れるより、骨折の方がマシだ!」と言ったのは、「心が折れる」事が「骨折」するよりその治療と回復が困難である・・と訴えたかったのだと、私は解釈しました。
保育園については、その規模や環境に違いがあるため、体力測定の平準化は難しいと思います。
なので、保育士や保護者の方々にも広く知念先生の講義を聞いてもらえる機会が増えたり
「お便り」などでの発信を重ねるだけでも、何か「気づき」を得てもらえるのではないでしょうか?
また、室内でも取り組める「体力向上」へ向けたちょっとした運動や遊び方は、知念先生が学生たちと研究を重ねておられます。
以前からお話ししていますが、運動する事で集中力が上がる研究データは世界中にあり
保育園での生活、例えばイベント事の準備や給食時など集団での行動が必要な時は、その前に、十分な外遊びや室内運動をすることで集中力があがり、子ども達も先生方も物事がスムーズに運ぶはずです。
子どもにとっての遊びは、いわば「仕事」です。
外遊びに限らず、子どもの遊びを本来は止めてはいけない!
先月、知念先生と区内の私立保育園へ視察に伺いました。
その保育園では、給食の時間も子ども達の体内時計で各自バラバラに給食を採ります。
遊び途中で強制終了させずに、気が済むまで遊ばせて子どもが自分で「あ、そろそろ食べ始めないと食べ終えない」と感じると、テーブルにつく。
この「子ども自身が自ら考え、感じて行動する」これは「外遊び」においても身につく認知機能ですが、これを給食で実践しているのは素晴らしいと思いました。
もちろん、人員配置や仕組みが要にはなります。先生方も大変かと思いますが
「人手がなく大変だから」を「子ども達のためだから」に変換していく作業。
「出来ない」と結論付けずに、「どうしたら出来るのか?」に発想転換をする作業。
それは、保護者にも言えます。私自身も振り返ると「仕事と育児の両立」で「忙しいから」を理由にしていた事、沢山あったと思います。
ただ、言い訳ですが・・・「必死」でした。何もかもが「必死」でした。
そんなお母さん、お父さんを支援する事も「子育て支援」になるのですから、保育園で預かっている時間は「子ども達ファースト」が実現できるよう様々な変化をもたらして欲しいと思います。 「ここまでしか出来ないから」ではなく、「どうすれば出来るのか?」を。
私も、たくさん考えます。
考えて、考えて、考えて、息が詰まったら外の空気を吸って、創造力を膨らませて・・・
エネルギーが集中するところには「決意」が生まれ、
いずれ、自分が何者なのかを知る事になる。
それが「成長」という名の「変化」なのです。
昨年、委員会の視察で伺った岡山県消費生活センターでの「気づき」について少しお話しさせて頂きます。
このセンターでは「大学生と連携した消費者教育」という事業を展開しており、大学生をボランティア講師として活動の場を創設しています。
「教育を受ける人」を、「教育をする人」へ変換する活動です。
この事業は実績も伸びていて、確実に成功したと言えるものでした。
この事業を牽引していたのが、消費者教育コーディネーターという役職です。
この方のお話の中で、事業の成功にはコーディネーターの存在が絶対的に大きいと語られていたことがとても印象に残っています。
お話ししたいのは「消費者教育」ではなく、「コーディネーター」という存在についてです。
一般的にコーディネーターとは、様々な人の思いや状況を整理し、物事がうまく進むように調整する役割の人を指します。
コーディネーターには、「受け止める」「知らせる」「つなぐ」「育てる」この4つの要素が必要と言われています。
そこで、思ったのです。荒川区にはコーディネーターがいるのかな?と。
区では、子ども達を取り巻く様々な問題に対して、各施設や所管において専門家を配置して下さっています。
その点在する専門家の方々は、諸問題が起きた時にどう機能し、どう連携を取っているのか?
「子ども」を取り巻く「困った」が起きた時、その内容によっては1部署で解決しないケースが多々あります。
沢山の点を置いていても、その点を線で結ぶことが出来て初めて機能していると言えます。
私のところに来る相談事や、困ったという事案について、そのコーディネーター役とみられる方の存在を感じられませんでした。
コーディネーター役を担う専門家の方がいても、コーディネーターとしての役割を果たせていないのなら、改めて「コーディネーター職」をおくべきではないか?と感じます。
困っているご家庭、学校、ことによっては病院、警察、児相、そして所管する各部署。
その問題を解決へ導くために情報をすべてコーディネーターが収集する。
収集できる立場という事を全庁において周知する。
私が見聞きした事案では、子どもの事で困ったを解消すべく、お母さんがあっちの部署で情報を集め、こっちの部署で手続きをして、またそっちの部署で情報を集め・・・
結局、それで解決すれば良いですが、もし解決しなかったら、誰が?その親子を救うのでしょうか?
時間だけが沢山すぎていく・・・それは決して子ども達のためにはなりません。
いじめ、不登校、虐待、人間関係からくる様々な問題、何においても言える事は
「初動が大切である」ということ! 様々な保護者から経験値としてお聞きする話に共通して感じるのが、初動が大切であるという事です。
誰が?いつ?どこで?どう? その子のために初動を起こすのか?
これは、重要なキーワードです。
文科省が推進する「学校運営協議会制度」いわゆる「コミュニティスクール」の公立学校導入率は42.9%で、1万5,221校にあたります。
この数字は2022年9月に文科省が発表したものですが、前年度より3,365校も増加しています。
更に、導入率を都道府県別にみると、和歌山県の96.8%がもっとも高く、逆にもっとも低いのは福井県の1.5%でした。
また、指定都市では「さいたま市」と「岡山市」で100%となっています。
そして、実施校の数にはバラつきがありますが23区内での設置区は、千代田区・港区・
新宿区・文京区・江東区・大田区・世田谷区・渋谷区・杉並区・豊島区・北区・板橋区・足立区の13区でした。
このコミュニティスクールは、学校と保護者や地域の皆さんがともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、一緒に協働しながら子ども達の豊かな成長を支え「地域と共にある学校づくり」を進める法律に基づいた仕組みとされています。
もちろん、目的が明確でもこの仕組みを荒川区でどう落とし込むのか?
地域性が大きく関わってくるので、導入すれば良い!と、一概には言えないと思います。
でも、私はこのコミュニティスクールの導入目的である「協働」という言葉が、とても必要だと感じています。協力の協に、働くと書いて協働です。
協働とは、共通の目的を達成するために、尊重しあい、対等な立場で共通する課題の解決に向けて協力・協調する関係です。
私は様々な場面で、昭和の子ども時代と現代との違いをお伝えしていますが
昔は、玄関のドアは開けっぴろげで近所のお兄さんやお姉さん、おじさんやおばさんと顔を合わさない日がないくらいで、学校においても色んな人が色んな形で出入りしていました。
それが、住環境も集合住宅が増え、「閉ざされた家庭」と言われる昨今において
学校もしかり「閉ざされた学校」になってはいないでしょうか?
もちろん、犯罪も多様化していて防犯上の施錠については当然の事ではありますが
箱が閉ざされる事で、心も閉ざされる。そして、それが当たり前になってきている。
そんな気がしています。
また、若い頃には「足をキレイにしたかったらミニスカートをはきなさい」とよく言われましたが、これは良い意味で「見られている」という緊張感が必要だからという理屈からです。
小学校は6年間あります。私自身の子育てを振りかえっても長かったです。
でも中学校は3年間しかありません。短いです。
だから、何気なく通りすぎてしまう保護者も多いかもしれませんが
子ども達にとっては、「青春は密なんです!」の名言の通り
大人への成長過程において、大切な3年間であり、振り返った時に懐かしむ学校生活を是非とも送って欲しいと思っています。
「開かれた学校」と「協働」を結びつけるコミュニティスクールは進化していくべきだと感じます。
余談ですが・・・
とある情報番組で、中高の学生からとった「担任の先生になってほしい有名人ベスト5」というアンケート調査がありました。
その結果とは、
5位「櫻井 翔」4位「菅田将暉」3位「阿部 寛」2位「出川哲朗」1位「ムロツヨシ」
あくまでも有名人としてのイメージですが、子ども達が求めるものが見えてくる気がしました。
受け取るイメージは人それぞれですが、私がこの5人から共通点を感じ取ったのは
「素直で愛嬌があって、どこか人間味があって愛くるしい大人たち」
大人だって失敗するし、悩むし、落ち込むし、叫びたくなるし・・・
だから肝心なのは、お互いの信頼感であり、理解し合うためのコミュニケーションが必要なのだと感じます。
年齢や肩書など関係なく、信頼関係を築くには「自分をさらけ出して相手の懐に飛び込む!」
(昔の営業マンがよく言っていた言葉ですが・・・)
「人を変えたければ、まず自分が変わること!」
どんなにAI技術が進化していこうとも、「向き合うべき人と人」がいる限り
コミュニケーション力は絶対に必要です。
このコミュニケーション力を高めるためにも「幼児期において、いかに外遊びをさせるのか!」が重要なのです。(しつこくて、スミマセン(;^_^A)
最後に、心理カウンセラーの方の言葉を紹介させて頂きます。
悩みがあるから病になるのではありません。
本来の自分を見ていないから病として顔をのぞかせているのです。
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